システム開発で思うところ

Javaで主にシステム開発をしながら思うところをツラツラを綴る。主に自分向けのメモ。EE関連の情報が少なく自分自身がそういう情報があったら良いなぁということで他の人の参考になれば幸い

【雑記】国産クラウド(もしくは官公庁で使うクラウド)

デジタル庁が採用したクラウド事業者がAWSGCPという話を受けて個人的に思ったことをツラツラ。

はじめに

www.yomiuri.co.jp

3社から応募があったが、安全面や事業継続性など約350の要件を満たした両社を採用した。

相応の基準をもって選ばれたと思いますし、応募3社からの選定とのことなので そもそも応募もしていなかったかもしれないので、勝手な思いです。

偏った私見を交えつつ、僕が選ぶんだったらこうするかなぁと順番に。
改めて断っておきますが、何の根拠もない ただの感想です(逃げまくり)。

あと国産クラウドといいつつ、富士通以外は情報を持ち合わせていないので 非国産クラウドだったりします。

まぁそれくらい緩い雑記と思っていただければ。

富士通

FUJITSU Cloud Service : 富士通

国産クラウドであるべきかどうか分かりませんが、富士通は国産クラウドサービスを提供しています。
官公庁のサービス基盤として、選べるのであれば国産の方が日本人ならではの細かさへの対応を含めて融通があるように思います。

国内基盤ということは機密に関するデータも扱います。
それが海外サーバに配置されることが個人的には好ましいとは思いません*1
(基本事項のサービス全般に「情報資産はユーザが指示しない限り日本国内に保管されること。」とのことなので、AWSGCPでも要件は満たされていると考えて良さそうですね)

東京リージョンとして独立しているとは思いますし、おそらく先の選定基準の中でも言及されているとは思いますが、デジタル戦争的な話を考えたときに「日本が海外のネットワークから遮断されるリスク」もあるような気がします。

富士通は富岳といった国産基盤を構築や機密保持のノウハウがあると想像するところもあります。

エンタープライズ系としては Java EEJakarta EE)や PostgreSQL などのOSSへの貢献を長く行っています。
富士通東京証券取引所での大量データ高速処理を汎用機からサーバをベースとする基盤にリプレイスした実績もありますし、メーカーとしてサーバー製造できるということは「非常にコアな処理を物理で殴る」ことも出来るという事だと思います。
また東証のように大きめの規模の基盤を準備しておいて有休資材を「官公庁クラスのセキュアな基盤」として民間利用に回すことも出来るかもしれません。

クラウド業者という意味ではメジャーではないのですが、かつてはOracleクラウドのパートナーだったりするので相応のノウハウはあるんじゃないかぁと(Oracleから提携切られはしましたけど)。

ちなみにアプリケーション実行基盤としての使いやすさについては、後述他を含めて 昨今 Kubernetesをベースとしているので そのレイヤーでの差はあまりないのではないかな?と思っています。

MicroSoft(Azure)

ここ数年のOSSへの取り組みや、マネージドなサービスへの取り組みが基盤利用者フレンドリーに感じるからというのがあります。

また、これはJJUGの懇親会で、クラウド基盤を そのままワークステーションのように持ち運べるサービスもあるというの伺ったことがあるから。
物理的にオンプレとクラウドをシームレスに利用できるというのは官公庁としては扱いやすいと思います。 先にも挙げたようにネットワーク的に日本が海外と断絶したとしても、こういうサービスがあれば災対としても有効だと思います。 同じように災害時に狭い範囲(といっても市町村自治体レベル)で独立したサブ官公庁システムを搬入することで早期の部分的復旧も出来るように思います。

Office365をベースとした企業環境基盤も既にあり、そのあたりを新規で作り込まなくて良いというメリットもあるように思います。 富士通もProjectWebとかあるんでしょうけど、、最近色々ありましたし。。あとOffice系サービスは 利用現場においても必要なので MS系で固めてしまって運用の簡便化を図っても良いかなと。

基盤の上のサービスはNTTデータ富士通NEC、日立 などのベンダーが行うとして、MS系がベースにあるのはオールインワンとして便利だと思います。

IBMRed Hat

MSとは僅差というか、同着というか そのくらいの位置。
未知数は日本対応。
東京リージョンはあるので、物理データ置き場が グローバルでミラーされる可能性はAWSGCPと同じ(それをいえばMSも同じかもしれないけど)。
違いは、富士通の時と同じく ハードメーカーの側面があるところ。
ソフト面については Red Hatを含めた多彩さに期待。
とくに実行基盤とアプリの間を埋める部分となるOS周りは Red Hatの強みかなと思う*2

Javaベースの実行基盤としては WildFly もあるし、Camelとか分散システムの実行基ミドルウェア製品などの面が強いイメージがあります。

ルール駆動開発あたりもユーザー主導でシステム構築をするときに有効活用できるんじゃないかなぁ。

その他

Oracleもよぎったのですがクラウドサービスに限れば、そんなことは無いのかもしれないのですが いかんせん高いというイメージが拭えないんですよね。
あと、数年前まで富士通が日本国内の基盤サポートをしていたという記憶があり、だったら運用ノウハウのある富士通で良いんじゃないかな?と。

参考リンク

デジタル庁におけるガバメント・クラウド整備のためのクラウドサービスの提供-令和3年度地方公共団体による先行事業及びデジタル庁WEBサイト構築業務- |デジタル庁

(詳細未読)

さいごに

まぁ、、あれですね。自分の嗜好先であるJavaと 日本IT利用者に親和性があるんじゃないかな、という順みたいな感じになっていますね。
かなり縁故含めてバイアスがありありだとも思います。
再掲ですが、何の根拠もないただの感想です。別にAWSGCPが悪いとか言っているわけではありません。
こんな意見もあるんだなというところで。

*1:データの置き場所の法令に従った扱いになるという認識のため

*2:実際はDockerに吸収されるところなのかもしれないけれど